旧石器時代は人間が道具を使い始めた時代。
日本には旧石器時代の暮らしが分かる遺跡がいくつか存在していますが、どこにあるのか知ってる人は少ないでしょう。
そこで本記事では【日本にある旧石器時代の遺跡】をご紹介します。
また、遺跡で発掘された道具や装飾品について知識を深め、旧石器時代における人々の暮らしを探っていきましょう。
【はじめに】旧石器時代とは
旧石器時代とは、人類が石を使って道具を作り始めた時代を指します。
約260万年前から1万年前まで続いた旧石器時代は、狩猟・採集をして生活をしていました。
旧石器時代の暮らしの特徴はこちら。
- 道具の使用: 石を打ち砕いて作った打製石器を使い、狩りや食物の加工に利用。
- 火の使用: 火で体を温めたり、食物を加熱するなどに利用。
- 住居: 各地を移動し、洞窟や簡単な小屋で生活。
- コミュニケーション: 言語や絵を通じて、他者とコミュニケーションを取る。
旧石器時代は人類の進化や社会形成において重要な時期。
そんな旧石器時代の暮らしや文化を知ることができる遺跡は日本各地に存在しています。
日本にある旧石器時代の遺跡
日本各地には10,150箇所もの旧石器時代の遺跡が存在しており、それぞれの場所から当時の暮らしが分かるものが多く見つかっています。
ここからは、各地にある旧石器時代の遺跡を紹介します。
岩宿遺跡(群馬県)
群馬県みどり市にある岩宿遺跡は旧石器時代の遺跡の中でも、日本最古と言われています。
岩宿遺跡は1946年に相沢忠洋が発見し、日本に旧石器時代が存在したことを示す重要な遺跡です。
この遺跡では、約2000点以上の石器や土器などが出土しました。
石を打ち砕いて作った道具である磨製石器も出土し、これを用いて当時の人々が狩猟や採集を行っていたことが判明します。
岩宿遺跡は見学もできるので、ぜひ興味がある人は足を運んでみましょう。
大平山元遺跡(青森県)
青森県五所川原市にある大平山元遺跡は、約3万年前の遺跡と言われています。
日本列島最北端にある遺跡です。
大平山元遺跡では、古代の人々の生活の跡が残されており、動物の骨や500点以上の石器が発見されています。
動物の骨や石器が見つかり、当時の人々が狩った動物を石器を使って調理していたことが分かりますね。
堀之内遺跡(山口県)
堀之内遺跡は山口県防府市にあり、旧石器時代を含むさまざまな時代の複合遺跡です。
複合遺跡とは、複数の文化や時代にわたる遺跡が重なっている場所を指します。
この遺跡は約3万年前の出土品が見つかり、ほかの旧石器時代の遺跡と同じように動物の骨や石器が見つかっています。
遺跡で発見された旧石器時代の出土品
旧石器時代の遺跡から発見された道具や装飾品などの種類や用途について解説します。
道具
旧石器時代で日常的に使われていた道具は以下の通りです。
- 刃物…石を打ち欠いて作られ、動物の肉を切るために利用。
- 火打石…焚火や火を起こすための石器。
- 骨製品…骨を加工して作られた針や釣り針。
- 尖頭器…矢じりや槍の先端に使われるもので、狩猟に利用。
- 斧… 丸みを帯びた形状の石器で、食物の加工や狩猟、木の伐採に利用。
ほかにも、石の砕け片や石核(まるい形をしていて、石器を作るときの材料になるもの)、磨製石器なども見つかっています。
磨製石器は、石を削って滑らかにしたものです。
石を磨いて作った矢じりやナイフなどがあります。
旧石器時代の人々は生活に必要な道具を一から生み出し、工夫しながら暮らしてきました。
現代の私たちが使っている道具の基礎は旧石器時代で生まれたものなのかもしれませんね。
装飾品
旧石器時代の装飾品はシンプルなものから、彫刻や穴が開いたものまで、さまざまな形状をしています。
- 貝製のビーズ…ネックレスやブレスレットに用いられた。
- 石のペンダント…特定の形に磨かれた石をつけたネックレスが発見される。
- 骨製の装飾品…動物の骨を加工して作った。
この時代の装飾品は、主に貝・石・骨・牙など自然の素材を加工して作られました。
装飾品は身を飾るためだけでなく、宗教的な意味や儀式に使用されたとも言われています。
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まとめ
今回は【日本にある旧石器時代の遺跡】について紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
旧石器時代の遺跡からは狩猟や食料の調達に使われた道具が発見されています。
また、さまざまなデザインの装飾品も発見され、当時の人々がオシャレや宗教文化などにも興味があったことが分かりましたね。
旧石器時代をさらに詳しく知りたい人は、図書館や資料館などに足を運んでみましょう。
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