強い武士が多く在籍した新選組の二番隊隊長をつとめ、剣豪と言われた永倉新八。
そんな永倉新八の死因が実は虫歯なのではと言われていますが、実際はどうだったのでしょうか。
本記事では、【新選組:永倉新八の生涯と死因】を解説します。
現代の死因としては珍しい虫歯が、どのように悪化して死に至ったのか詳しく見ていきましょう。
新選組の永倉新八とは?
永倉新八は新選組の二番隊隊長として幕末を駆け抜けた人物です。
幕末の治安を守るために剣の腕が立つ者が集められた新選組ですが、その中でも永倉新八は隊長をつとめるほどの実力者でした。
幼いころから神道無念流の剣術を学び、その後は剣術を学ぶために各地をめぐるなど、剣術を中心とした人生を送っていました。
永倉新八が旅の途中で出会ったのが、のちの新選組局長:近藤勇でした。
永倉新八の剣の実力は新選組の中でもトップクラスと言われ、幕末の時代には多くの戦場でその実力を発揮。
池田屋事件や戊辰戦争でも新選組の隊士として戦い、明治になってからは東京や北海道に住んで生活しています。
たくさんの新選組隊士が幕末の戦いによって命を落としたため、長生きしている隊士は多くありません。
しかし、永倉新八は明治~大正時代を過ごし、77歳でこの世を去りました。
武士として多くの戦場を経験し、生き延びただけでもすごい!
新選組を引退した後の永倉新八
永倉新八はもともt松前藩(現在の北海道)の武士だったため、新選組を引退した後はゆかりのある北海道で過ごしていました。
彼はこれまでの出来事や新選組の活動を本に書くなど、新選組を後世に伝えることにも力を注いでいます。
旧幕府側だった新選組は当時「悪」というイメージが強く、新選組の悪いイメージを回復させるための活動も行っていたのです。
新選組は現在でも多くのドラマや映画などで取り上げられています。
武士としての新選組の様子が伝わっているのは、永倉新八が残した記録のおかげです。
また、幕末に活躍した剣の腕前は明治以降になっても変わらず、新選組を引退した後は刑務所の看守や学校で剣術を教えていました。
永倉新八は映画が好きで、よく映画館に通っていたというエピソードも残っています。
永倉新八の死因は虫歯
永倉新八のエピソードで有名なのが、虫歯によって亡くなったというものです。
たかが虫歯で命を落とすことは珍しいですが、当時の虫歯は厄介な存在でした。
永倉新八の直接的な死因は、骨膜炎を発症しての敗血症でした。
永倉新八は虫歯を治療しなかったことで症状が悪化し、骨に細菌が入り込んだことで骨膜炎、さらに敗血症にまでいたってしまったのです。
敗血症は、細菌などに感染することで臓器をはじめ全身にさまざまな症状が引き起こされる状態。
さらに重くなるとショック状態や内臓機能の低下で命の危険にさらされる可能性があります。
永倉新八の場合も、虫歯の菌が歯ぐきから骨にまで達し、敗血症を引き起こしたのではないかと言われているのです。
現代ではすぐに治療できる虫歯だけど、当時は治すのが難しい病気でした。
虫歯の治療が難しかった理由
江戸時代では虫歯を治すことは難しく、永倉新八のように放置せざるを得ない人もいました。
虫歯の治療が難しかった理由は以下の2つです。
- 虫歯を治療する方法がなかった
- 庶民には厳しいお金の問題があった
それぞれ詳しく見ていきましょう。
虫歯を治療する方法がなかった
現代のように整った環境や技術がなかった江戸時代では、虫歯になっても治療法が限られていました。
虫歯で歯が痛くても当時の技術では歯をけずることはできず、痛みをやわらげる治療しかできません。
最終的には虫歯になった歯を抜くしか方法がありませんでした。
しかし、歯を抜くといっても、当時は抜歯の痛みをやわらげるための麻酔がありません。
また、歯を抜いたあとに細菌の感染を防ぐ抗生物質もないため、虫歯の治療は現在よりも痛みや危険があるものでした。
ちなみに歯磨きの習慣は江戸時代からすでに存在していて、歯ブラシや歯磨き粉もありました。
庶民には厳しいお金の問題
虫歯を治療するためにはお金もかかってしまうため、江戸時代の庶民が歯医者にかかることは少なかったといいます。
さらに、当時は医者以外にも抜歯を行なう人がいました。
中には、大道芸人が見世物のひとつとして抜歯することも。
治療費を安くするために、医者以外の人に抜歯をお願いするケースもありました。
虫歯になっても治療せずに、生きていくのは大変そうですね。
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まとめ
今回は、【新選組:永倉新八の生涯と死因】について解説しました。
当時は虫歯になってもすぐに治療する認識すらない時代でした。
永倉新八に限らず、虫歯が悪化して他の病気を発症することも今よりずっと多かったのです。
虫歯で亡くなったことは少し複雑な気持ちになりますが、新選組の存在を後世へと残してくれた彼の功績を称えたいですね。
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